身内も騙して利用するコンサル会長の衝撃詐欺ストーリー

元コンサル会社の会長が身内である娘婿をも利用して巨額の詐欺話を持ちかけていたとして詐欺未遂で逮捕された事件の真相です。


詐欺未遂で逮捕されたあとの捜査によって、次々と過去の詐欺が余罪として挙げられたようですが、どれもこれも1千万円を超えています。


さらに、一度逮捕されて実刑を受けた後だったというので、なんとも情けない現実です。

反省するどころか、規模が大きくなっている気さえしてしまいます。


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−−−以下、引用−−−
 「あなたは脱税で捜査されている」。国税人脈を誇示する人物にこう言われ、「捜査を止められる」と金を要求されたら…。こんな事件が寿司店「びっくり寿司」を運営していた「びっくり本舗」(東京、民事再生手続き中)を舞台に起きた。同社元社長(51)への詐欺未遂事件で逮捕、起訴された男は、舞台回しとして知人の韓国人を「前国税庁長官」に仕立てていたという。実際の国税人脈は皆無だったが、共犯として逮捕された男の義理の息子ですら「義父は国税にパイプがある」と信じ切っていた。

■脱税?…「実刑4年は決定」

 詐欺未遂罪で起訴されたのは自称コンサルタント会社会長、原田豊実被告(63)。義理の息子の「びっくり本舗」元専務(50)は共犯で逮捕されたが、処分保留で釈放された。

 警視庁組織犯罪対策3課によると、犯行の経緯はこうだ。

 平成20年4月初旬、元社長の都内の自宅に、かつての部下だった元専務が訪れた。

 「詳しい内容は分かりませんが、義父に調べてもらったところ、あなたは脱税で捜査されており、実刑4年は決定みたいです。地検特捜部があなたの後をつけており、写真も撮っています」

 元専務が続けて、元社長に「脱税の容疑事実」を説明した。

 元社長が18年2月、「びっくり本舗」を第三者に事業譲渡した際、第三者は「貸付金」の形で譲渡金を経理処理。この処理は不正で脱税に当たるため、東京地検や国税当局が元社長の捜査を進めている−。

 仮にこの「不正」が事実だとしても、譲渡先の第三者が行った経理処理であり、元社長の脱税とはなり得ない。捜査段階で判決が決定するはずもない。元社長は身に覚えのない容疑だったが、原田被告の意を受けた元専務の話を聞いて不安になった。

 なぜ、元社長は信じかけてしまったのか。

 捜査関係者によると、元専務の訪問に先立つ20年3月28と31の両日、原田被告は元専務と元社長を連れ、法人税と社会保険料に関する相談のため、東京国税局と世田谷社会保険事務所を訪れていた。

 びっくり本舗は当時、経営が悪化し、税務署などから滞納していた税金の支払いを督促されていた。この話を聞きつけた原田被告が元社長らを伴い、国税局と社会保険事務所で分納手続きを手配したという。

 税金の分納は会社の責任者がいれば、通常の手続きで行うことができるとされる。今回のケースでは元専務がまだ現役だったため、スムーズに手続きを済ませることができた。

 しかし、原田被告はその際、「自分が国税とパイプがあるから分納にできた」などと豪語。警視庁は原田被告が詐欺を行うために演出した「舞台回し」の1つとみているが、元社長は原田被告が国税当局に“口利き”できる人物だと誤信したのだ。

 ■「リクルート元会長の実刑回避も私」

 同年4月6日、今度は原田被告が元社長を都内の事務所に呼び出した。

 「私の知り合いに前の国税庁長官がいましてね」

 原田被告はこう話しながら、胸ポケットから名刺をチラリと見せた。元社長がのぞこうとすると、すぐに名刺を隠し、「私が頼んだら、こうした偉い人が裏で動いてくれます」と持ちかけたという。

 元社長はこの時点で原田被告に疑問を持ち、警視庁に相談した。

 金銭要求があったのは翌7日。元社長は警視庁の指示を受け、そのやりとりをテープに録音した。録音されているとは知らず、原田被告は流暢(りゅうちょう)にうそを語り始めた。

 捜査関係者によると、電話はこんな内容だった。

 「これから私がえらい先生のところへ行って話をつけてくるけど、とりあえず至急お金がいるんだ。一刻を争うことだからね。至急3億円、全部で5億円が必要。こんなことで普通、先生たちは動いてくれないからね。私が昨日、名刺見せたから分かるでしょう。今まで私が何十億もばらまいてきたから、今回も頼めるんですよ」

 さらに原田被告は「リクルートの元会長が実刑にならなかったのは、裏で私がやってあげたからだ」とも付け加えたという。

 上場後値上がり確実なリクルート関連会社の未公開株を政治家と官僚に譲渡したとされ、竹下内閣の総辞職につながった「リクルート事件」。元会長は15年、東京地裁で懲役3年、執行猶予5年の判決を受け、確定していた。実際、実刑判決とはなっていないが、原田被告の「国税人脈」と、この判決がどう結びつくかについての説明はなかったという。

 同日中に、原田被告は再度、元社長に電話をしている。「今から前の国税庁長官と変わるから」。こう切り出した原田被告。間もなく電話口に出たのは、「前国税庁長官」を名乗る人物だった。

 「原田君から事情を聞いたけど、本来はできないことですが、頼みがあったから今回はなんとかしましょう。今後、こういうことはありませんから」

 「前国税庁長官」はこう話した。ところが、この人物は原田被告の知人の韓国籍の男性だった。

 捜査関係者によると、この男性は警視庁の任意の事情聴取に、「事情はよく分からなかったが、原田被告に言われるままに紙を読み上げただけ」と供述。現金を要求するテープの存在やこの男性の供述が決め手となり、原田被告は先月12日に逮捕された。

 警視庁は、原田被告がチラリと見せた名刺も原田被告自身が偽造した可能性が高いとみている。

 ちなみに、びっくり寿司は20年12月、別会社に事業譲渡され、現在の経営会社は事件とはまったく関係がない。

 ■警視庁捜査員の名刺も“小道具”に

 娘婿(元専務)という「身内」をも巻き込み、5億円を詐取しようとした原田被告。今回の事件は未遂にとどまったものの、原田被告が同様の手法で金を得ていたケースもあった。

 東京都内のある会社社長によると、社長は原田被告から「すでに始まっている内偵捜査を止められる」と持ちかけられ、20年6〜8月の間、計10回、約8000万円を支払ってしまったという。

 社長は当初、原田被告の申し出を断ったが、原田被告は実在する警視庁捜査員の名刺を出すなどした上で、「国税幹部、警視庁幹部にはすでに手を打ってしまった」と言葉巧みに信じ込ませていったという。

 社長は途中で原田被告の話に矛盾が多いことに気づき、約8000万円を支払って以降、金銭要求を拒否。すると原田被告は「数万円でも何とかなりませんか」と要求額を極端に下げるようになったという。

 さらに、今回の詐欺未遂容疑での逮捕が報道された後、警視庁には「場外馬券場を作るので、話が進んだら工事を請け負わせる」などと持ちかけられ、原田被告に1300万円を支払っったという男性から被害相談が寄せられた。原田被告が手を替え品を替え、方々で金策していた実態がうかがえる。

 原田被告は10年、会社役員と共謀の上、偽の相続税申告書を偽造するなどし、2億円超を脱税した相続税法違反罪で起訴され、横浜地裁で懲役1年2月の実刑判決を受けている。「捜査を止められる」はずの原田被告は、自身の逮捕を止められなかったのだ。

 ■家賃月300万円、滞納なし

 捜査関係者によると、原田被告は東京都目黒区の自宅マンションのほか、品川区のコンサルタント会社事務所、世田谷区の元専務と娘のマンションの計3部屋の家賃を月に計約300万円支払っていたが、一度も延滞することがなかったという。

 原田被告が拠点としていたコンサルタント会社は事業実体がないとされるが、原田被告の金回りはよかったのだ。警視庁は金策に成功した金が家賃など生活費に充てられていた可能性が高いとみている。

 捜査関係者によると、逮捕直後は「金を要求したことはない」と容疑を否認していた原田被告。取り調べで録音テープなどの証拠を突き付けられると、一転して容疑を全面的に認めたという。

 一方、元専務は「義父は国税当局にパイプを持っている」と信じて譲らなかったという。元専務も原田被告にだまされていたとして、起訴されずに処分保留になったとみられる。
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